空気の乾燥する季節になると起こりやすい肌トラブルが”乾燥肌”。
乾燥肌は肌がカサカサになったり、メイクのノリが悪くなったり、ハリがなくなったりと様々な肌トラブルを招いてしまいます。
乾燥肌を改善しようと思ったら、日頃からしっかりと保湿ケアをしてあげることが大切です。肌にしっかりと潤いを与えてあげることで肌を乾燥から防ぐことができます。
そしてもう一つ大切なことが、内側からのケアです。外側からのケアでも十分乾燥肌を改善することは可能なのですが、内側からもケアすることでより高い効果を得ることができます。
「内側からのケアって具体的に何?」と思うかもしれませんが、一番簡単かつ重要なのは”食事”です。
ここでは、食事を通してどのように乾燥肌を改善していけばいいのか、詳しく説明していきたいと思います。
目次
そもそもなぜ乾燥肌になるの?

私たちの肌はある一定のサイクルで古い細胞から新しい細胞へと生まれ変わっています。この肌の生まれ変わりを「ターンオーバー」といい、これが正常に行われることで健康的な肌を維持することができるのです。
逆に言えば、このターンオーバーが乱れてしまうと肌のバリア機能が低下し、紫外線や乾燥から肌を守れず様々な肌トラブルを引き起こしてしまうというわけです。
乾燥肌もターンオーバーの乱れによって肌のバリア機能が低下することで引き起こされる肌トラブルの一つです。
肌のターンオーバーが乱れる原因はいくつかありますが、一つは不規則な食生活です。
乾燥肌を内側から改善するには乱れた食生活を見直して、乾燥肌に効果的な食事を摂ることが大切なのです。
乾燥肌に効果的な栄養素は?

私たちが毎日口にしている食材には様々な栄養素が含まれています。乾燥肌の改善に効果的な栄養素はたくさんあるので、それぞれどんな働きがあってどんな食材に多く含まれているのか見ていきましょう。
・タンパク質
《タンパク質の働き》
私たちの体は約80%が水分で、残りの約20%はタンパク質です。皮膚や髪の毛、筋肉などもすべてタンパク質からできています。乾燥肌の人はタンパク質が不足していて健康な皮膚を作れていない可能性があります。
また、肌のハリやツヤを維持するのに必要なコラーゲンもタンパク質の一種です。タンパク質が不足しているということはコラーゲンも不足してしまうことになるので、ハリやツヤのないお肌になってしまいます。
《タンパク質が豊富な食材》
タンパク質には動物性タンパク質と植物性タンパク質の2種類あります。
動物性タンパク質・・・鶏肉、牛肉、豚肉、魚、チーズ、牛乳、卵
植物性タンパク質・・・大豆、大豆製品、ブロッコリー
・ビタミンA
《ビタミンAの働き》
ビタミンAには肌に潤いを与える働きがあります。他にも、肌の新陳代謝を促進しターンオーバーを正常にすることで乾燥肌を防ぐことができます。
《ビタミンAが豊富な食材》
ウナギ、レバー、卵、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、春菊、モロヘイヤ
【ビタミンB6】
《ビタミンB6の働き》
ビタミンB6は肌細胞の代謝に欠かせない栄養素です。他にも、皮膚炎を防止する働きがあります。
《ビタミンB6が豊富な食材》
豚肉、鶏肉、レバー、マグロ、サケ、納豆、牛乳、にんじん、ほうれん草、かぼちゃ
【ビタミンC】
《ビタミンCの働き》
ビタミンCには毛細血管の血行を促進する働きがあり、新陳代謝を活発にする効果が期待できます。新陳代謝が活発になれば肌のターンオーバーのサイクルも整ってくるので、老廃物をしっかりと排出して肌を乾燥から守ることができます。
《ビタミンCが豊富な食材》
パプリカ、ブロッコリー、モロヘイヤ、かぼちゃ、イチゴ、キウイ、キャベツ
【ビタミンE】
《ビタミンEの働き》
ビタミンEには「抗酸化作用」「バリア機能」「血行促進作用」といった働きがあり、乾燥肌に限らず様々な肌トラブルに効果的です。
《ビタミンEが豊富な食材》
アーモンド、ピーナッツ、ひまわり油、ほうれん草、ブロッコリー、うなぎ
【亜鉛】
《亜鉛の働き》
亜鉛は骨や皮膚、肝臓、脳などにある成分で、体内に約2000㎎存在しています。抗炎症作用や殺菌作用があり、ビタミンAやEの吸収をサポートする働きもあります。
《亜鉛が豊富な食材》
牡蠣、ウナギ、豚肉、海苔、きな粉、かぼちゃ、ゴマ、アーモンド
乾燥肌を改善する食事のポイント

乾燥肌にはどんな栄養素が効くのか分かりましたね。しかし、ただ単に乾燥肌に効果的な食材を食べればいというわけではありません。乾燥肌を改善するには、”食べ方”も非常に重要なんです!ここでは乾燥肌を改善する食事のポイントを3つご紹介したいと思います。
ポイント①:タンパク質はバランスが大事
上でも少し触れましたが、タンパク質には植物性タンパク質と動物性タンパク質があります。乾燥肌を改善する上で重要なのは、この2種類のタンパク質をバランス良く摂ることです。高カロリーな動物性タンパク質ばかり食べていると肥満につながってしまいますし、逆に低カロリーな植物性タンパク質ばかり食べるのも、栄養が偏ってしまうので良くありません。一つの食材に偏らず、様々な食べ物をバランスよく摂取するのがポイントです。
ポイント②:多くの食材を少しずつ食べる
乾燥肌を改善するにはタンパク質だけでなく、ビタミンやミネラルといった栄養素もバランス良く摂る必要があります。これらの栄養素を効率よく摂取するには、多くの食材を少しずつ食べることが大切です。鍋やスープ、スムージーなどは一度に多くの食材を摂取することができるのでオススメです。
ポイント③:野菜は加熱する
ビタミンAやビタミンEは脂溶性ビタミンと呼ばれています。脂溶性ビタミンとは、油と一緒に摂ることで吸収率が高くなるビタミンのことです。ビタミンAが豊富なニンジンやかぼちゃ、ビタミンEが豊富なほうれん草やブロッコリーなどは、油で炒めたり揚げたりして食べるのがオススメ!ただし、油の摂り過ぎは良くないので、飽きないようにするためにも蒸したり茹でたりと、他の調理法でも食べるようにしましょう。
乾燥肌さんにおすすめの簡単レシピ3選
ここでは乾燥肌に効果的な食材を使った簡単レシピをご紹介します。忙しい人でも簡単に作れるレシピをピックアップしてみたので、ぜひ作ってみて下さいね。
ごま油が食欲をそそる「マグロアボカド丼」

ビタミンB6が豊富な”マグロ”と、ビタミンEが豊富な”アボカド”、”ごま油”で作る簡単でとっても美味しいレシピです。
【材料(2人分)】
◎マグロ 150~200g
《下味》
・しょうゆ 大さじ1
・ごま油 大さじ1
・ニンニク(すりおろし) 1/4片
◎アボカド 1個
◎大葉 4~5枚
◎刻みのり 適量
◎卵黄 2個分
◎ご飯(炊きたて) 丼2杯分
【作り方】
①マグロは1.5㎝角に切る。ボウルに下味の材料を入れ、そこにマグロを加えて和える。
②アボカドは種を取り、マグロと同じく実を1.5㎝角に切る。
③大葉は軸を切り落として千切りにする。
④器にご飯をよそい、刻みのりと大葉をご飯の上に敷く。
⑤マグロとアボカドを盛り合わせて、最後に卵黄をのせて出来上がり。
甘味と塩味のバランスが最高!「ほうれん草とピーナッツだれの和え物」

ビタミンA・ビタミンB6が豊富なほうれん草に、ビタミンBが豊富なピーナッツで作ったタレを和えた、ヘルシーでいくらでも食べられる一品です。
【材料(2~3人分)】
◎ほうれん草 1束
《ピーナッツだれ》
・ピーナッツ 80g
・砂糖 小さじ2
・しょうゆ 大さじ2
【作り方】
①ほうれん草はサッと茹で、水気を切ってから3.5㎝幅に切る。
②ピーナッツは殻と甘皮を剥き、すり鉢で少し粒が残る程度にすり潰す。
③すり鉢にしょうゆと砂糖を加え、ピーナッツとよく混ぜ合わせる。
④ほうれん草にピーナッツだれをかけて出来上がり。
濃厚で色鮮やかな「ニンジンとかぼちゃのポタージュ」

ビタミンAやビタミンB6が豊富なニンジンとかぼちゃを使った、濃厚で色鮮やかなスープです。温かいままでも美味しいですが、冷たくしても美味しいですよ。
【材料(2人分)】
◎ニンジン 1本
◎かぼちゃ 1/8個(150g)
◎バター 10g
◎コンソメ 小さじ1/2
◎塩 小さじ1/3
◎牛乳 200㏄
◎水 200㏄
◎パセリ 少々
【作り方】
①ニンジンは皮を剥いて縦に十字に切る。切り口を下にして薄切りにする。
②かぼちゃは種・わたを取り、皮を切り落として薄切りにする。
③鍋にバターを入れて熱し、ニンジンとかぼちゃを加えて炒める。
④油がなじむまで炒めたら、水とコンソメを加えて煮立ったらふたをする。
⑤弱火で7~8分煮たら、粗熱をとる。
⑥ミキサーでなめらかになるまで撹拌する。
⑦鍋に戻して、牛乳を加えて混ぜる。
⑧塩を加えてフツフツとするまで弱火で加熱する。
⑨器に盛り、パセリをのせたら出来上がり。
乾燥肌は食事で美味しく改善しよう

いかがでしたか?
乾燥肌を体の内側から改善するには、食事の見直しが重要だということが分かりましたね。
スキンケアを見直すことももちろん重要ですが、それと同時に毎日の食事も見直すことで、より効果的に乾燥肌を改善することができます。
食事は毎日とるものなので、乾燥肌に効果的な栄養素をバランスよく摂取して、乾燥知らずのしっとりお肌を手に入れられるといいですね!